授業づくり講座2021年6月

日時:2021年6月13日(日)10:00~13:00

会場:Zoom によるオンラインで実施(ID 等は後日連絡します)

報告①「主体的、対話的で深い学び」を目指した授業づくりの実践報告(理科の授業を中心に)」

報告②「1 年間、特別支援学校で教員をしての振り返り」 

 

■今回は、オンラインで実施のため Zoom を使用できる環境の準備をお願いします。

 また、事前にミーティング ID や資料等を送りますので、6月6日(日)までに、

 下記のメールアドレスにご連絡ください。

【問い合わせ先】授業づくり講座担当・黒田 090-4381-4463

 <takako-ashibi@amail.plala.or.jp>

 

6月授業づくり講座のまとめ

 

1.概要

6月13日(日)

報告者 森下周亮

「『主体的、対話的で深い学び』を目指した授業づくりの実践報告」

         角之倉宏彰

         「1年間、特別支援学校で教員をしての振り返り」

参加者 11名 小学校2名、中学校2名、特別支援学校5名、学生1名

 

2.講座の感想                     

(報告者の感想)

 このような場で報告をさせていただくことで、自分の実践の課題や改善点について明確になりました。社会科の授業を行うのは久しぶりだったのですが、いかに有効な資料や教材を用意できるかが、子どもたちの学習にも大きく関わってくるのだということを学びました。また、今回の講座を通して、社会科という教科は奥が深く、やり方によってはとてもおもしろいものになるということを改めて感じました。

 1時間の授業の中でのポイントだけでなく、年間を見通しての単元計画や授業構成の工夫など、多くのご意見をいただくことができ、とても勉強になりました。

今回の学びを生かして、今後、より良い実践報告ができるように、様々な工夫や挑戦をしていきたいと思います。(森下周亮)

 

 森下さんの実践報告では、活動が分かるように心掛けられていて児童たちに分かりやすいものになっているように思いました。理科の授業の塩水の実験で、支援の必要な児童からも予想が聞けたというところでは、いろんな児童が自分たちで考えて予想を立てることができたという点に、森下さんの授業の魅力を感じ、本当に良いなと学ぶことがたくさんありました。

 私自身の報告では、皆さんからいただいた意見や感想から、生徒たちの卒後社会人となって必要となる力を明確にした上で、最低限出来てほしいことは指導していかなければいけないなと思いました。また、その後の適切な言葉掛けなど支えていくことも大事だと思いました。障害のある子どもたちは、多くのやりたいこと等あきらめてきてしまっているところもあると思うため、生徒の気持ちの表出を大切にする場面が本当に多いと思います。これからも生徒の気持ちや表出してくれるものを大事にしながら、社会で最低限必要なことはしっかりと教えていけるように、よく試行錯誤して実践していきたいと思います。(角之倉宏彰)

 

(参加者の感想)

*若い先生たちの頑張りに感激でした!

 森下さんの「発問と指示はセットで行う」「10分に一度は何か活動を行わせる」といった「授業で意識していること」は、とても大切なことだと思いました。でも自分ではなかなかできないことなので、教壇を離れて久しい自分も、「子どもの権利」の話など小中学生に話すことがあるので、ぜひ真似をしたいと思いました。また森下さんの、諸先輩から学んだことをしっかり生かそうとする誠実な人柄と丁寧な授業展開から、きっと子どもたちに慕われているのだろうなと思うレポートでした。

 角之倉さんはとても優しい人柄で、そんなに厳しく叱ったりされない方かなと思います。私もそういうタイプですが、知的障害特別支援学校の、特に高等部では、厳しく叱って「びしっとさせる」ということを求められることが多いです。それこそ今でいうジェンダーの問題ですが、私もよく「男性教員のくせに、もっと生徒をびしっとさせられないのか?」と言われました。でも障がいのあるなしにかかわらず、生徒は教員をよく見ていて「怖い先生の言うことは聞くが、そうでない先生の言うことは聞かない」という間違った傾向を持ちやすいです。それは生徒自身が変容しているわけではなく、ただ表面上いうことを聞いているだけです。それなのに「私には指導力があるのだ」と思い込んでいる教員もいます。私は、ぜひ角之倉さんにはそういう間違った指導に惑わされることなく、自分のやり方に自信を持って、生徒に寄り添う教師であり続けてほしいと思います。

 質問ですが、そもそも「期限付き教員」とは何なのでしょうか?角之倉さんはなぜ1年だけで転勤しなければならなかったのか?埼玉県でも臨時任用の教員が都合よく使われることが問題になっていますが、それでも一つの学校に最長で3年はいることができます。それは県教委と組合の交渉の結果だと思いますが、東京都はどうなっているのか?と心配になりました。角之倉さんのような、経験もある、力のある教員を、一刻も早く一つの学校でじっくり実践できるようにしてあげたいなと思った次第です。

 お二人とも、お忙しい中、中身の濃いレポートを、ありがとうございました。

 

*みなさんのコメントから、報告者の方を労い励ましたいという気持ちがたくさん伝わってきました。報告者の立場や現状をよく理解しよう、寄り添おうとする姿勢が温かく感じられて、このような同業種の先輩方とのつながりの場があることはありがたいことだなと思いました。

 (私は分掌で5年間研究部を担当しているのですが、年次研者の研究授業の振り返り会が、良かった点よりも改善点ばかりの討議になってしまって可哀そうだなと感じることが多々あります。私たち大人も、子どもと一緒で自分が頑張ったところを見てもらい分かってもらえて、次への意欲がわくと思うのですが…まぁ研究授業だから仕方ないと言われたりもしますが)

 まだまだ自分の見えている世界が狭く、考えの及ばないところがたくさんあるのだと感じました。

 色々な立場や経験をされている方々との交流は、自分からは生まれにくい視点をもらえる素晴らしい機会だと思いました。

 

*森下さんへ

 小学校の実践でしたが、「10分に1回は、生徒の活動を入れる」という点が、大変参考になりました。教育実習を通して、生徒の活動をどう入れるか模索していたので、10分に1回というのが、目安として取り入れられそうだなと考えました。そして、小学校でも知識や技能を得る「過程」が大事なのだと理解できました。この点も、どの校種にも通ずるものがあるなと感じました。

森下さんが、生徒たちに実感を持ってもらえるように様々な工夫をされていて、生徒たちも楽しく授業を受けているのだろうなと、想像していました。ありがとうございました。

 角之倉さんへ

 角之倉さんの生徒を観る力に、感動しました。お忙しいなかで、生徒一人ひとりとしっかり向き合っているのだろうなと伝わってきました。私も生徒一人ひとりをしっかり理解できるような教員になりたいです。意見交換のなかで考えたこととして、インクルーシブ教育の必要性を感じました。

 特別支援学校(学級)と分けることで、仕組みとしてはやりやすいのかもしれませんが、特支に通っている生徒と、他の生徒たちとの交流は必要だと考えました。それは、今回の角之倉先生のご報告から、特支の生徒たちもとても多様で、交流しないと見えてこない部分も非常に多いと感じたからです。現状では、特支と分けていることで、偏見を生んでしまっているのではないか、と考えました。授業は別としても、交流の場があれば良いのになと思います。

 特別支援での教育は、とても勉強になるので、またお話を聴きたいなと思いました。ありがとうございました。

 

*今回は遅れて参加して申し訳ありません。森下さんの理科を楽しみにしていたのに、残念でした。自分ではズームのやり方を覚えたと思っていたのですが、わからなくなってしまい、土田さんのアドバイスを聞いたら、直ぐに入ることが出来ました。気遣ってくれた皆さんの優しさに改めて感謝です。

 森下さんの社会科は、限られた時間の中でよく工夫されていたと思います。沖縄学習では子どもたちの視野を身近なものから広げようとしたり、基地問題に着目したりしていて良かったです。私の場合、沖縄にはちょっと思い入れが強いので、サトウキビの試食から導入しました。子どもたちの五感を揺さぶり、知的好奇心を持続させていけば、自主的な学習への取り組みができ、知識も定着していくでしょう。「私たちの生活と食糧生産」に関連しては、参加者たちの意見がいろいろ聞けて、楽しかったです。

 角之倉さんの話は、子どもたちの抱えている現実や成育歴まで良くつかんでおり、温かさのにじみ出た報告で、ほっこりしました。いきなり英語の授業をしなければならなくなって大変だったと思いますが、子どもたちの好きな「天丼」で教材づくりをするなど、良く考えてがんばっているのが伝わって来ました。

 今回、小学校の現場の人たちに声掛けはしたのですが、多忙すぎて参加できず、残念でした。2年ぶりのプール指導も始まり、現場はとても疲れ果てているのに、お二人の報告はとっても前向きで熱意があり、また続けて報告してほしいと思いました。 

 

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2021年6月講座チラシ.pdf
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