社会科授業づくり講座2019年9月

日 時:2019年9月8日(日)10:00~13:00

     *講座後、昼食会も予定しています。(出欠は当日お聞きします。)

会 場:東京学芸大学附属竹早中学校(春日通りに面しています)

テーマ:中学校社会科『ALL OUT ~授業づくり・学年づくり・部活動』

講師 :飯塚 喜大さん (中学校教員)

参加費:500円(学生200円)

講師:飯塚さんから

 中学校の教員は、様々なことに取り組まなければなりません。社会科の授業はもちろんのこと、より良い授業を成立させるためのクラスづくりや学年づくり、学校づくり。そして昨今課題が話題になりつつも、生徒の成長にとって大切な部活動。

 「 ALL OUT 」とは力を出し惜しみせず全て出し切れ!という意味。20年近く学年通信のタイトルで使ってきた言葉です。授業も、学校生活も、部活動も全てにおいて全力で取り組んでほしい 。一生懸命が最も似合う年代なのだから。そんな願いを込めています。教員という仕事は一生勉強が必要だと思います。時代も社会も子どもも変わる中、試行錯誤しながら取り組んでいることをお話したいと思っています。


9月社会科授業づくり講座のまとめ
2019年9月8日(日)
講師 飯塚 喜大先生(中学校教員)
担当 津田 隆広 参加者 13 名(講師含む)
参加者内訳 小:2名 中:7名 高:0名 特支:3名 大学:1名

飯塚先生からのコメント
授業に、クラス・学年・学校づくりに、保護者との関係づくりに、そして部活動に、今まで夢中で生徒と向き合ってきて、多くの充実感や感動も味わってきました。気が付けば気持ちは28歳ですが(笑)、実年齢はあと数年で60歳の退職を迎えるという現実も見えてきました。自分のやってきたこと、今やっていることが、少しでも次の世代に役立つことができれば、次の世代にバトンタッチするために少しでも良い状態でバトンを渡せればという想いが強すぎたかなと反省しています。民間教育研究団体に関わる先生方が(特に若い先生方が)少なくなっている状況の中でも、9月8日に集まってくださった方々。そんな参加者が何を求めて来たのか?最初に尋ねておけばよかったなと思っています。多忙な中でも時間を割いて来てくださった方の要求に応えることができたのか?自問自答しています。私が一方的に話し、映像を視聴していただきという構成になってしまい申し訳ありませんでした。いくつになってもこの仕事は一生勉強だなと再認識しました。今後もともに頑張っていきましょう!

 

参加者の感想

  • 飯塚先生のお話を聞いてまず自分が教員になろうとした思いを再び思い起こすことができました。「子どもに対する愛情」を忘れることなく、子どもたちにとって何が大切なのか を常に考えていきたいです。
    情報リテラシーに関しては、子ども達に言葉でも史料(資料)でも、考えさせる機会を提供することが大切であると感じました。その為にも教師側がアンテナを高くしあらゆる角度から情報を集める必要があると感じました。
  • 社会科の教員として大切なことを職場つくりも含めて教えていただきました。今日学んだことからできそうなことは…
    ①新聞への投書
    ②旅行写真の活用→新学期の授業びらきで復習をかねて見せる
    ③「戦争と幻の五輪」を道徳や総合で活用(オリ・パラ教育)
    ④教室に自分の授業にちなんだ本棚を置く( 2 月の論考から)
    ⑤部活の集合時に話す
    自分も生徒も人にとびこんでいけるよう心がけていきます。
  • 現実の社会問題や事件について取り上げることの大切さを感じました。また、 子どもたちの考えたことを新聞社に送ったり、映像をまとめたりとアウトプットの方法にも様々な工夫があり、とても参考になりました。飯塚先生のように、子どもたちに何が必要なのかを良く考えて 、子どもたちの記憶に残るような授業や経験をさせていくことができるようにしていきたいです。
  • 「授業づくりをどのようにすればよいか」ということを参考の1つにしようと思っての今回の参加でした。部活指導についても、先日の全国大会で内田良先生の講演を聴く前後でいろいろと考えてきたつもりで今回のお話でまた何か刺激を得られれば、という 思いもありました。平和教育の手法について質問させていただき、長期的な授業での解決を、というお返事をいただいて、自分が授業を 5 時限程度の独立したまとまりとしてとらえているのだということに気付かされました。部活の指導ということに関しても私の関心が「理論に基づく練習・根性論からの脱却」ということに終始し「生徒との信頼」ということは0ではないにしてもおざなりであると気付かされました。生活(社会のことを含め)-授業-部活を結びつけた上での長期的 視座での指導計画という考えは今までなかったものであり、私の将来にそのまま援 用できずとも大きな学びを得られたものと思います。
  • 講座を通して、飯塚先生の子どもたちに対する熱意や愛情を強く感じました。自分も30年後も飯塚先生のように、つねに「ALL OUT」できるような教師になれるよう、日々の実践を見つめ直したり、ニュースや新聞など様々な情報を収集し、授業や生徒指導に活用したりできるようになりたいと思いました。また、菅野美穂さんは中学時代も美しかったです☆
  • 生徒たちがメディアを通して、又はクラスメイトとの関わりから考えを共有し、様々な問題への解決策や自らの考えを育て ていっていることが分かりました。その中に先生の先輩方のあつい語り合いの経験があるのではと感じました。社会科はただ教えればよいものではなく、子どもたちが社会の中で幸せに生きていく中で必要な力をつけることが大切であると実感しました。一つひとつの授業で子どもたちの記憶に少しでも残るような学びをすることであのときやったなという振り返りができるように自分自身も今のニュースや社会について敏感になり、知るようにしていくのが大事だと思いました。
  • 若い教員として考えていく必要のあることが多くありました。今後の時代に はいかに教員が意図的にあらゆる場、形、視点で社会の話をできるのか重要だと思いました。そして、ここには教員の批判的思考力が必要で、もっと基盤にあるのは『愛』であると思いました。

担当者より

後期最初の講座にご参加いただきありがとうございました。飯塚先生の「ALL OUT!(全て出しきれ!)」という熱い思い、姿勢を強く感じることができました。気持ちはいつでも28歳と言っておられましたが、人を惹きつけるパワーは本当に若々しく、実際の20、30代でこれほどパワーを持っている人は中々いないのでは、と衝撃をうけました。 参加者の皆さんの感想にもありましたが、若手が授業の手法、子どもを惹きつける授業をどうすればできるのかと求める中、それも必要なことではあるけれど、子どもを愛し、普段の生活から子どもと真剣に向き合い、懐にとびこみ、話をすることの大切さに改めて気付かせていただきました。 皆さんの感想もいつも以上に気持ちのこもったものが多かったので、これも飯塚先生の熱い思いが伝わったのではと感じています。