社会科授業づくり講座フィールドワーク【事前申込制】

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全生園フィールドワーク
日程 2016年7月17日(日)
集合 10:20 JR武蔵野線新秋津駅 バス乗り場
解散 16:00頃 国立ハンセン病資料館
備考 事前申込制(詳細はチラシをご確認ください)
2016年7月全生園フィールドワーク.pdf
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実行委員より

 今年度、授業づくり講座は、年間計画とは別に、いくつかの催し・学習会を計画しています。

 まずは、7月に多摩全生園に行き、ハンセン病の歴史や全生園に残る史跡について学習していきたいと思います。また、午後の部では、国立ハンセン病資料館の見学と、映像ホールでハンセン病問題のガイダンスビデオをご覧いただき、元ハンセン病患者である、語り部の平沢保治さんの講演をお聞きする予定です。 

 たくさんのご参加を、お待ちしております!

 

フィールドワーク 報告(8/26掲載)

参加者19名

 映画「あん」の舞台ともなった全生園とハンセン病資料館を、青木祐子さんの案内で見学し、元患者さんの平沢保治さんのお話を伺うという心に刻まれた1日でした。

 

◆青木さんの心のこもったご案内は、全生園の人々の深い思いを伝えてくださったと思います。本で読んでいたものからのイメージとはちがう、すばらしいフィールドワークでした。先生の今までの実践の豊かさを感じました。平沢さんのお話も、差別の苦しみと、それを与えた人々を許す寛容さ、生き抜く力の尊さを感じました。

 

◆教育実習の時は、ハンセン病について教科書とネットでの浅い知識しかなく、人権問題について大事な単元であるにも関わらず、生徒の心に響く授業ができませんでした。それがひっかかっていたので、今回参加しました。今回一番強く思ったことは、ハンセン病の患者は「かわいそうな人」ではなく「強い人」だったことです。もちろん、ひどい差別や待遇が存在し、患者の方や元患者の方を深く傷つけた事だと思い、それを思うと何と言っていいものか分からない気持ちになります。しかし、そのような中でも自らより良い暮らしをしようと、努力し、最終的には自らの力で人権を回復した方々は本当に強くとても尊敬します。

 

◆青木さんが本当に分かりやすく教えてくださり、理解することができました。授業で、ハンセン病について何をどのように伝えたら良いか迷いながらやっていましたが、青木さんのお話や食事の時やFW中に参加者の皆さんと話した中で、知った人が伝えていくこと、子どもたちがハンセン病の元患者さん達に対する認識を転換させたお話が印象に残りました。青木さんの行った子どもたちによるガイドツアーのような実践ができたらいいなと思います。

 

◆前から学びたかったハンセン病の歴史。そして、全生園のこと。とてもよい機会を頂きありがとうございました。現場にいると「明日の授業をどうしよう!」と狭い視野(HOW TO的な)で悩みますが、授業の心のような大切なものを授業づくり講座ではいつも学ばせて頂いています。今回もすてきな企画をありがとうございました。

 

◆今回、ハンセン病の資料館や園内をフィールドワークをすることで、普段みることのできなかった生活の様子を見る事ができた。一番印象に残ったのは、平沢さんのお話で、9割が差別など、1割が光を求めて生きてきた人生であるという言葉だ。かんたんなことのように思える問題がとても難しい。それを変えていける方法はとにかく行動に起こすことであると思う。私は、今日のことを踏まえて、人権について考えていきたい。

 

『歴史地理教育』No.854「特集●ハンセン病から考えよう」では、青木さんの実践記録を読むことができます。

 

2016年9月号「ハンセン病から考えよう」の読みどころ(歴史教育者協議会ホームページより)

 ハンセン病者に対する国の強制隔離政策は、ハンセン病患者や回復者、家族らに対して甚大な被害をもたらしました。そして、1996年に「らい予防法」が廃止されて20年目となる今年、あらたに家族らによる裁判が始まりました。同時に、高齢化によって療養所の入所者は年々減少しています。ハンセン病問題は、極めて現在的な課題です。

    特集では、社会復帰された方のお話や学校教育における課題などを取り上げました。ハンセン病の当事者が「不在」になりつつある中で、私たち自身がハンセン病差別の問題から学び考え続ける「当事者」としてできることからはじめるためにも、ぜひ、この特集をお読み下さい。