日本史部会2014年7月例会

日 時:2014年7月19日(土)18:00~ 

※通常より少し早く開始します

会 場:筑波大学附属駒場中・高等学校

報告者:小泉秀人さん

内 容:実践報告 「生徒が“学ぶ主体”になる講義式授業」

公立校で長年、教壇に立たれている小泉さんの授業実践報告です。卒業生のみなさんの協力も得て模擬授業を行った後、以下の3点について考えていきたいと思います。

 ① 無数の歴史的事実から、何を、どう教えるか 

 ② 生徒たちとの間で、どういう関係性を結ぶか 

 ③ 授業はどこまでできるか


会場から(2014.9.6掲載)

 公立校で長年、教壇に立たれている小泉さんの授業実践報告でした。卒業生のお二人もいらして、模擬授業を行った後、議論しました。

 模擬授業は、鎌倉幕府の成立をテーマに、視覚教材の活用や生徒とのやり取りを織り交ぜながら、進められました。単なる年号・事項の羅列ではなく、当時の人々の想いを想像させるなど、生徒たちがダイナミックな歴史の流れを出来る限り具体的にとらえられるよう工夫された授業だったと感じました。

 このような例会に卒業生が来てくれるというところがすごい。授業などを通して、小泉さんと生徒たちとの間に深い、熱い関係が築かれているのだなと、卒業生のお二人の話をきいていて感じました。

参加者の感想
◆実際の授業形式での報告でしたが、小泉先生の授業を受けさせていただき、生徒の考える力を引き出す授業であることをとても実感させられました。 授業のなかで沢山の発問が生徒に投げ掛けられていたことがとても印象的で、生徒と教師が一体となりながら授業が展開されていっている感覚を覚えました。 「分かりやすく面白い」「流れが命」「考える力」といったポイントが授業をつくるうえでいかに大切なことであるかを認識させられ、自分自身の授業を振り返る良い機会になりました。
 小泉先生の授業を受けていた卒業生の方にも来て語っていただき、生徒目線からの貴重な意見を聞かせていただきました。生徒のなかに記憶としてどのようなことが印象づけられているのか、それも授業づくりのうえで大いに参考となるものでとても勉強になりました。 生徒のなかに記憶として残る、そんな授業を私もしていきたいと思いました。今回はどうもありがとうございました。(E)

◆「ただ教科書を使うだけでなく、生徒達に合わせてわかりやすく授業を作ってくれる。暗記だけではない、関連づけて内容が入ってくるような授業。先生に習ってから、暗記だけじゃないんだなと思うようになった。急いで詰め込んだような形ではなく、進度はゆっくりだった。苦にならない、やってて楽しい、理解できる授業。授業の中で人間の育成、考える力、『分からない』では終わらせなかった。40人全員が発言する機会を与えていた。生徒の人間性というのをきちんと考えてくださっていた。今までの社会の勉強は覚えることが多い、知識をどんどん入れろ、用語を理解するだけのもの、そういう授業だと思っていた。自分で考えるということが盛り込まれていた。個性の尊重というのをやっていただいた。苦しいということはなかった。中学の時はテストが終わったらみんな忘れてしまっていた。小泉先生の授業はテストの後も記憶に残っていた」
 生徒さんたちのこのような感想を引き出すことのできる小泉先生の実践に、深く共感いたします。40名の生徒全員を主役にすることのできる授業、僕自身、それを実現することがいかに難しいことか、日々の授業で常に悩み、問い続けています。小泉先生の模擬授業を受けながら、「間違う」ということは、決して恥ずかしいことではないのだと、その間違いが、生徒の成長の起点となるのだということを学びました。本当に有り難うございました。(M)